2014年6月22日日曜日

ストレージデバイスに関する雑感。~HDDとSSD~

始めに(なぜこんな文章を書いたか)

つい先日、各種メーカーのSSDに連続書き込みをして壊れるまでの寿命を何年間もレポートしてきたbotchyworld様のサイトが謎の閉鎖を遂げた。
botchyworld本家サイト(Wayback machine)
botchyworldミラー(bto-pc.jp様によるミラー)

筆者としても悲しいので、ここいらで各種ストレージデバイスに関する考察やらを、筆者の独断と偏見で記事に起こしてみたいと思う。

今回はHDDとSSDのみに的を絞って論じてみたいと思う。




HDD

最近はSSDが安価になり、OS起動用として使うともうHDDベースのシステムには戻れなくなる感覚が大人気(経験者談←筆者です。SSDはHDDと比べるともう麻薬ですね。速度的な意味で)のSSDだが、やはり頻繁に書き換えるデータ保存用としては、まだまだHDDに分がある。
筆者のお勧めするHDDメーカーとしては

  • HGST(旧IBM)


やはりというかなんというかこの一択に尽きる。
何故かというと、昔ながらの印象に基づく理由で恐縮だが、日立は昔からモーター類の技術が優れている(日本初の電動機を開発したのは日立だ。(参考リンク)(参考リンク2) この五馬力誘導電動機に関しては、一昔前のTVのCMで見た方も多いだろう。)し、何より日本メーカーという安心感がある、この2点が主な理由である。(もっともHDD部門はIBMのお下がりであるが。)
また、HGSTは中々黒字化しなかったので(今もどうなのかは知らない。)、国内HDDメーカーを支えてあげたいという単なる願望からもHGSTをお勧めする。

ちなみに、同じチョイスとしては、東芝も選択肢の一つとして入れてやるのもアリだろう。東芝のHDDは物によってはHGSTのOEM品が混じっているからだ。

海外勢としては、やはりSeagateだろうか。昔はMaxtorやQuantumなど群雄割拠していたが、これら全てをSeagateが買収してしまった。

他にもウエデジことWestern Digitalも選択肢のうちに入れてもいいかもしれない。

筆者としての経験から判断する海外HDDのおススメはSeagateである。
WD(Western Digital)を悪く言うわけではないが、WDのHDDは結構発熱する。今までにWDのHDDは1台しか導入したことはないが、そのHDDはもういない。発熱で逝ってしまったのだ。



SSD

こちらはHDDと打って変わって、


  • 東芝
  • Intel


この両者をお勧めしたい。以前ちょっとした縁でIntel SSD DC S3500の240GBを使用する機会に恵まれ、そのあと


  • 無茶苦茶に書き込みしたり
  • SSDデフラグを行い
  • およそ30TBほど書き込んだ


のだが、まだまだぴんぴんしている。代替処理済みのセクタが6個減っただけだ。
おまけにコントローラも砂コン(SandForce社製コントローラの略)ではなく、Intelが新規に開発した謹製の第3世代コントローラ仕様のおかげで、速度低下が殆どない。

以上のことから、稼働実績でIntel(その中でも、お財布が許すのならばデータセンター用や業務用SSD)をお勧めする。
両メーカーともNAND Flash、ならびに半導体の世界(Intelなどはその生い立ち上から、各種半導体を作るにあたっても、CPUなどの製造技術を流用できる強みがあるだろう。(もちろんMEMSなどまるっきり製造工程が違うのには対応速度が違ってくるだろうが))において最先端の技術力を持っているのがその理由である。

特に東芝はNAND Flashを最初に開発した会社だから、信頼するに足りる十分な実績があるのも強みだ。

市場に出回っているのは大半がMLC NANDでSATA2 or 3接続のSSDだが、コントローラの性能向上によって、ある特定の条件下では、SSDが転送するデータによってSATA帯域を食いつぶすほど高速化している、という。
軍資金に余裕のある方や、サーバー、業務として使用する考えのある方はSLC NANDでPCIe接続のSSDを考慮するのも一興だろう。

他のメーカーも捨てたもんじゃないが、(例えば現在筆者がメインで使っているPlextorなど)上記2社以外のSSDを選ぶ際は搭載されているNANDチップ、ならびに心臓部となるコントローラ部分、バッファとなるキャッシュ容量などを十分確認することが望ましいと思われる。


その他の海外勢としては、半導体で結構なシェアを誇るSamsungも「重要でないデータ保存用として速度重視で2,3年で使い捨てるなら」試してみてもいいのではないだろうか。ここでまさかのサムスン推しである。別に筆者はサムスンの回し者ではない。ただ単に人柱の報告が欲しいのだ。
ARMコアを3基搭載したMDX(PROシリーズに搭載)/MEX(EVOシリーズに搭載)コントローラとやらを筆頭に、Toggle DDR 2.0 TLC NAND、1GiBのDDR2キャッシュなどの主要部品をすべて内製で賄っている。筆者としてはその速度と耐久性、実力を見てみたいのだ。
なら、筆者の思いつく限りここしか思い浮かばないだろう、という流れで、このブログにしては異例のサムスン推しだ。
ただしこの記事を参考にして何が起きても絶対に泣かない、文句を垂れないことが条件だ。

半導体デバイス全体に言えることだが、個人的には機械ものよりデータ化け、消失への対処が難しいように感じる。この前システムがオーバークロックでダウンしたとき、たまたまSSDもアクセス中だったのか、再起動すると延々と
Windows8の起動画面→ブルスク→再起動→自動修復→再起動→…(以下数回ループ)
のループ状態となって、エライ目にあった事がある。結局自動修復で何回か再起動したのち、無事復旧したのだが。

Windows8(7もかな)環境の方は、例えOS起動用ディスクがSSDであっても回復ドライブやシステムの復元をぜひ有効にしてみてほしい。筆者の体験したときのように、軽微なデータ障害なら治ったりする場合があるからだ。もちろん確率としてはWizardryのカドルト位かもしれないが、試してみる価値はあるだろう。


最後に、もう市場には出回っていないと思うが、JMicronコントローラ搭載のSSDだけは全力でお勧めしない。この1文を以て、今日の記事は終わりにしたいと思う。



最後までご覧くださり、ありがとうございました。


参考文献
BCNランキング 2014年2月号リーフレット(記事の写真のためだけに引用)

参考資材
HGST DeskStar™ HDS721616PLAT80 (160GB P-ATA HDD 7200rpm)

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