さて、今日のネタは昨日のニュースで目にした、富士通の半導体部門についての話です。
写真はあまり関係ありません。参考程度に載せてみました。
知っている方はご存知のとおり、富士通の半導体工場を台湾のUMCに売却しようか、という話が上がっています。
コスト高で海外勢に比べ、どうしても国内の半導体は高くなってしまうので、仕方のないことなのでしょう…。
さて、富士通とUMCの特徴を見ていきましょう。といっても筆者が知っている範囲内でしか書けませんが(^^;)
富士通
- Transmeta Crusoe/Efficeonを作った工場で有名(CPU開発元のTransmetaはファブレスなので富士通のファブを使った)
- FACOMを作った会社(故・池田敏雄氏の率いるチームの活動がNHKのプロジェクトXに取り上げられたことで有名)
- HDD焼損問題
- SPARC / SPARC64とかのスーパーコンピューター向けCPUを作ってる会社(と同時にアーキテクチャの策定元会社の一つでもある)
UMC
- 台湾半導体製造企業の老舗にして大手
- ライバルはTSMCなど
- 歴史に残る486互換黒歴史チップ、GREEN CPUを出したことでも有名
他にもルネサス・エレクトロニクスも厳しいとの意見が出ていました。ルネサスといえば日立ですね。
昔の方が思い出す石としては6809のセカンドソース品、HD6309ですか、筆者のやる電子工作で一番身近なものといえばH8マイコンですかね。
電子工作に興味が無くても、かの有名なゲーム機、セガサターン(SH2 x2)、ドリームキャスト(SH4 +PowerVR)およびその上位互換のアーケードゲーム基板NAOMI / ATOMISWAVEやメガドライブ(Motorola 68000のセカンドソースHD68000搭載)なんかにも入っています。
閑話休題。本題に戻ります。
H8といえば、旧モデルのLego Mindstormsに採用されていたMPUとして有名ですね。
実は大学時代にH8アセンブラをやったものの、もうほとんど忘れてしまっているのが現状です。というのも、アドレッシングモードの指定が筆者の知っているMPUであるZ80とちょっと違うので、覚えるのに一苦労したという…
かといってZ80アセンブラが自在に書けるかというと、今や大半の命令を忘れつつあり、またこの石としてもこれから先は無い(組み込みで一定の需要はあるだろうが規模としては縮小するだけだと思います)し、あまつさえ相対ジャンプ先が±127(JR命令だったかな)だったのでリロケータブルなコードが書きづらいという困った点があり、こちらも本格的にはやっていません。
また話が脱線した。
ここからは筆者の独断と偏見による感想ですが、やはりこうも国内メーカーが苦しんでるのは採用例が少ないからではないでしょうか…
PDAというジャンルが消滅し、SHマイコンが売れなくなりました。
携帯電話のCPUも昔は勢いがありましたが、今は殆どがARMコアを採用したものが多くを占めています。国内産のは日立のSH-MobileとパナソニックのUniPhierくらいですかね。(他にもあったら教えてください)
但しUniPhierはARMベースなので完全国産とはあまり思いたくありません。
じゃ、なぜこんなにシェアが低下して不況にあえぎ、おかしなことになってるかというと、一言で言うとARMが強すぎるんです。そうなんだと筆者は思います。
ARMはIP(設計図)を売って稼ぐメーカーなので、少ない投資で莫大な利益が得られます。
しかも、ダイ面積が小さいように設計してあるのでSoC自体を安く作れ、それでいてそこそこの高性能が出ます。最近のチップの一例を挙げてみても
- AllWinner(中Allwinner Technology) 中華タブレット
- OMAP(米TI) 携帯電話、スマートフォン
- Snapdragon(米Qualcomm) 携帯電話、スマートフォン
- Exynos(韓Samsung)携帯電話、スマートフォン
- Apple A4~A7(米Apple, 韓Samsung) Apple iPadなど
- i.MX(米Freescale) Palm OS5以降のPalm端末
- StrongARM(旧DEC)
- Xscale(米Intel)Linuxザウルス
- BCM2835(米Broadcom)Raspberry pi
- Tegra(米NVidia)Tegraタブレット
- RockChip(中国)中華タブレット
同じグループなのに(世代は違うが)知ってるだけでもこのくらいあります。凄いです。
身近なところでいうと、ニンテンドー3DS、PS Vita、Apple iPad、タブレットAndroid端末、スマートフォンなど枚挙にいとまがありません。
電子工作の分野でも、Raspberry piやNXP mbed(Cortex-MのARMを搭載。筆者はまだ買っていません)なんかで徐々に浸透しつつあります。
おまけに最新のARM IPであるCortexシリーズにはGPUのMali IPコアまで提供されています、ARMから一式買ったらそれなりの端末が簡単に作れちゃうわけです。(多分)
何が言いたかったのかというと、国内の半導体メーカーはIPコア戦略も積極的にやったらいいんじゃないか、ということで。(既にやってたら筆者の調査不足ですが、だが私は謝らない。)
素人並の意見ですが、ARMのように沢山の互換コアがあればその分、そのチップのファミリーへの実装をするのに必要な引き出せるノウハウの量が違うと思うわけで…。
富士通の半導体部門もTransmetaのように、徐々にフェードアウトしていくのだろうか。
ちなみにTransmetaはフェードアウトした後体力が続かず解散しました。
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