さて、今回は安価に手に入る圧電ブザーを使って、Arduinoで音を奏でてみたいと思います。
■用意するもの
圧電ブザー(筆者は村田製作所のPKM13EPYH4000-A0を使用しました。1個30円です)
Arduino(互換基板でも可能)
Arduino IDE
USBケーブル
モバイルバッテリー、もしくはUSB電源、または自作電源か何か
■手順
まず、下の写真のように、圧電ブザーをArduino(若しくはArduino互換基板)のD12ピンとGNDに繋ぎます。極性はありません。
この「圧電ブザー」という素子は、ただ単に電源を繋ぐだけでは鳴らず、数kHzの信号を与えないと発音しません。
他励振回路などによって生成された、発振した信号を送ると音が鳴る素子です。
逆に言うと、音を与える(衝撃音とか)と幾らかの電位差が生じます。
ガスコンロや電子ライターの「カチッと鳴らして火をつける」仕組みはまさにこの圧電素子の特性を応用しています。
筆者の使用した「PKM13EPYH4000-A0」は、無接点構造のため、電位差を生じることは余り無いようです。
なお、圧電素子には、直流を掛けないでください。最悪の場合、不純物が圧電体の中に生じて圧電素子が劣化します。
無事に接続が終わったらスケッチを描き込みます。
幸い、他励振回路を組まなくても、ArduinoにはToneライブラリという、圧電サウンダで音を鳴らすためのライブラリが付属していますので、今回はそれを使います。
■スケッチ
以下のようにスケッチを描き、Arduino IDEからコンパイルして、Arduinoに転送します。
// Piezo buzzer test.
// (c)2015 Akio Fujimoto.
#define NOTE_B0 31
#define NOTE_C1 33
#define NOTE_CS1 35
#define NOTE_D1 37
#define NOTE_DS1 39
#define NOTE_E1 41
#define NOTE_F1 44
#define NOTE_FS1 46
#define NOTE_G1 49
#define NOTE_GS1 52
#define NOTE_A1 55
#define NOTE_AS1 58
#define NOTE_B1 62
#define NOTE_C2 65
#define NOTE_CS2 69
#define NOTE_D2 73
#define NOTE_DS2 78
#define NOTE_E2 82
#define NOTE_F2 87
#define NOTE_FS2 93
#define NOTE_G2 98
#define NOTE_GS2 104
#define NOTE_A2 110
#define NOTE_AS2 117
#define NOTE_B2 123
#define NOTE_C3 131
#define NOTE_CS3 139
#define NOTE_D3 147
#define NOTE_DS3 156
#define NOTE_E3 165
#define NOTE_F3 175
#define NOTE_FS3 185
#define NOTE_G3 196
#define NOTE_GS3 208
#define NOTE_A3 220
#define NOTE_AS3 233
#define NOTE_B3 247
#define NOTE_C4 262 // C4, base note.
#define NOTE_CS4 277
#define NOTE_D4 294
#define NOTE_DS4 311
#define NOTE_E4 330
#define NOTE_F4 349
#define NOTE_FS4 370
#define NOTE_G4 392
#define NOTE_GS4 415
#define NOTE_A4 440
#define NOTE_AS4 466
#define NOTE_B4 494
#define NOTE_C5 523
#define NOTE_CS5 554
#define NOTE_D5 587
#define NOTE_DS5 622
#define NOTE_E5 659
#define NOTE_F5 698
#define NOTE_FS5 740
#define NOTE_G5 784
#define NOTE_GS5 831
#define NOTE_A5 880
#define NOTE_AS5 932
#define NOTE_B5 988
#define NOTE_C6 1047
#define NOTE_CS6 1109
#define NOTE_D6 1175
#define NOTE_DS6 1245
#define NOTE_E6 1319
#define NOTE_F6 1397
#define NOTE_FS6 1480
#define NOTE_G6 1568
#define NOTE_GS6 1661
#define NOTE_A6 1760
#define NOTE_AS6 1865
#define NOTE_B6 1976
#define NOTE_C7 2093
#define NOTE_CS7 2217
#define NOTE_D7 2349
#define NOTE_DS7 2489
#define NOTE_E7 2637
#define NOTE_F7 2794
#define NOTE_FS7 2960
#define NOTE_G7 3136
#define NOTE_GS7 3322
#define NOTE_A7 3520
#define NOTE_AS7 3729
#define NOTE_B7 3951
#define NOTE_C8 4186
#define NOTE_CS8 4435
#define NOTE_D8 4699
#define NOTE_DS8 4978
const int pin = 12;
const int beat = 300;
void setup() {
// put your setup code here, to run once:
}
void loop() {
// put your main code here, to run repeatedly:
tone(pin,NOTE_C4,beat) ; // C4
delay(beat) ;
tone(pin,NOTE_D4,beat) ; // D4
delay(beat) ;
tone(pin,NOTE_E4,beat) ; // E4
delay(beat) ;
tone(pin,NOTE_F4,beat) ; // F4
delay(beat) ;
tone(pin,NOTE_G4,beat) ; // G4
delay(beat) ;
tone(pin,NOTE_A4,beat) ; // A4
delay(beat) ;
tone(pin,NOTE_B4,beat) ; // B4
delay(beat) ;
tone(pin,NOTE_C5,beat) ; // C5
delay(3000) ; // wait for a 3 sec.
}
■スケッチの説明
まず、最初に並ぶ大量のdefine文で、各々の音階を定義します。
ドレミファソラシドは、「CDEFGABC(このCは1段上)」と変換します。
setup()では何もすることはないので、何も書きませんでした。
SerialやLCDを使う場合には、ここで定義する必要があります。
LCDの場合には、setupの前にライブラリをincludeする必要があります。
折角なので、動画を撮ってみました。ArduinoのTone関数は若干音痴なので、調教が必要です。
tone関数で、圧電サウンダに発振された信号を与えます。
tone関数の書式は以下の通りです。
tone(ピン番号, 周波数, 発振時間)
この関数はArduinoのタイマ(Timer/ counter 2)を使用するので、デジタルピン3、11のPWM出力が一時的に使えなくなります。
元に戻すにはnoTone関数を使用する必要があります。
ちなみに、このtone関数で出力される波形はデューティー比50%の矩形波です。
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